顎関節症はいろいろな原因が積み重なって発症します
今回は顎関節症の原因についてお話させて頂きます。
かつては顎関節症は噛み合わせの異常が主原因と言われていましたが、研究が進んだ今日では、さまざまな因子の積み重ねによって発症すると考えられています。
■あごにかかる過剰な力「歯ぎしり」「くいしばり」
顎関節症の患者さんの多くに共通してみられるのが「歯ぎしり」「くいしばり」です
・日中や寝ているときに無意識に行っているのがくいしばりです。ことに、仕事に集中しているときなどにも行っています。
・歯ぎしりは寝ている間にしているので、本人は気づいていないことがほとんどです。音のする歯ぎしりは20%程度で、80%は音のしない歯ぎしりです。自覚はなくても歯ぎしりによる歯のすり減りが見られるケースが多くあります。
■精神面の負担「ストレス」
過剰なストレスも原因の一つです。仕事や家族、人間関係などでストレスを抱え、精神的に緊張を強いられると無意識のうちにくいしばりをしたり、肩や首、顔の筋肉を過度に緊張させてしまいます。また、睡眠障害も引き起こし、睡眠中のくいしばり、歯ぎしりの原因にもなります。
■癖による負担「偏咀嚼」「うつ伏せ寝」「頬杖」
日常の癖も顎関節症の原因になることもあります。例えば、いつも片側の歯だけで物を噛む偏咀嚼。寝るときにうつ伏せに寝る習慣。無意識のうちに頬杖をつくなど、日常の習慣も筋肉や関節に負担を蓄積させることになります。
次回は顎関節症の治療についてお話させて頂きます。